侵入されやすい掃き出し窓の防犯対策
警視庁が公表している「令和元年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」によると、住宅を対象とした侵入窃盗の侵入口は窓が多く、その割合は63.4%にも達しています。 [注1]
そのなかで、縁側やベランダに通じる掃き出し窓からの侵入は、約25%を占めています。今回は掃き出し窓に関する説明をし、どのように防犯対策をしたらよいか解説します。
掃き出し窓とは床から壁の高い位置まである大きな窓
掃き出し窓とは、開けると縁側やベランダに通じる、窓の下部分が床まである引き違い窓を指します。戸建の住宅であればほぼ必ず設置されており、日本で1番よく使われているといわれる窓です。
名前の由来は、ほうきで掃除をしていた時代に窓からゴミを庭へ掃き出したという時代背景が関係しているといわれており、現代でも掃除をする際に掃き出し窓から外にゴミを掃き出す人もいるのではないでしょうか。
続いて、掃き出し窓の4つのメリットを解説します。
1災害時の避難経路として活用しやすい
上述したように、掃き出し窓は腰窓と違って自身の背丈よりも大きい窓であるため、万が一の災害が起きた場合でも避難経路として活用できるメリットがあります。
一般的に避難経路を作る際は、玄関から離れた位置をポイントに作ることが前提と考えられており、掃き出し窓はその前提に見事マッチするのです。もし玄関が災害によって塞がれてしまったとしても、掃き出し窓があれば脱出が可能になります。
マンションにも掃き出し窓から出られるベランダに非常用の梯子が設置されています。
2光を取り入れやすく、明るい家になる
床と天井の間に設置される腰窓と掃き出し窓の大きな違いは光を取り入れる度合いにあります。掃き出し窓の場合は、窓の面積が大きいため採光が取り入れやすく、腰窓の家よりも明るい家になりやすいのです。
3電気代の節約にもなる
掃き出し窓は面積が大きいぶん、風も引き込みやすい傾向にあります。そのため夏場でも風がしっかり吹く日は、冷房をあまり使用しなくても涼しさを感じられます。結果として、電気代を節約するというメリットに繋がるのです。
4室内の換気が良好になりカビ予防へ
日本は高温多湿の国です。そのため、新築戸建を建築したりマンション・アパートを選んだりする際は換気の良し悪し、湿気対策が重要な課題といえるでしょう。
とくに湿気は、カビを増殖させる原因になり、また人によってはアレルギー反応を引き起こすリスクを高めてしまうため、対策は必須です。
掃き出し窓がある家のメリットは、そんな湿気や換気に関する問題を比較的軽減させてくれる役割を持っているところです。掃き出し窓が2ヵ所設置されているところと腰窓しかないところでは、換気の良し悪しに大きな差が出るため、もし湿気や換気で悩みたくないのであれば掃き出し窓は2ヵ所あるとよいでしょう。
掃き出し窓が侵入されやすい3つの理由


上述したように、警視庁が公表している「令和元年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」では、窓からの侵入のうち、24.3%が縁側やベランダに通じる窓からの侵入というデータが出ています。ちなみに「居室の窓」は28.1%、「その他の窓」は11.0%となっており、対策を講じない場合、掃き出し窓は犯罪者の侵入を許してしまう可能性が高いと考えられます。
対策を立てる前に理由を把握しておきましょう。
1掃き出し窓の近くに隠れ場所を作りやすいため
掃き出し窓の家が狙われやすい理由としてまず挙げられるのは、窓の近くに隠れ場所が作られやすいという点です。
戸建てでもマンションでも、大きな掃き出し窓は、外からまたは向かいの家からの視線が気になるため、多くの家ではカーテンや日よけ、または植栽・植木などを置いて視線が家の中に向かないようにしています。
そのカーテンや日よけ、植栽などが空き巣にとっては都合のよい隠れ場所となります。周りからの視線を気にするあまり、空き巣の犯行を助長してしまうような環境を作ってしまいがちなのが、掃き出し窓のデメリットであり、狙われやすい理由です。
2 鍵がクレセント錠のみであるため
クレセント錠とは、どの窓にも多く活用されている取っ手を回して金具と金具が噛み合うと施錠できる錠のことです。しかし、クレセント錠には窓ガラスを固定する目的の割合が強く、防犯効果ほぼ無いと考えられています。
そのためもし掃き出し窓に防犯効果をつけるのであれば、補助錠やクレセント錠の防犯機能を高めるグッズの設置を検討しましょう。
3出入りがしやすいため
そもそも掃き出し窓は、人が出入りするために作られた窓であるため、たとえ誰かが出入りしていたとしても余程のことがない限り違和感を持ちづらいでしょう。
加えて空き巣などの犯罪者は、それとなく馴染む格好で犯行に及ぶことがほとんどであるため、隣の住人であっても気づけない可能性があります。さらに今は隣近所との関係性が希薄になりつつあります。違和感に気づいても知らせることができないのも、掃き出し窓をはじめ、窓からの侵入を増加させる1つの要因でしょう。
掃き出し窓の防犯対策


空き巣は5分以内に侵入できない場合、51.4%が犯行を諦めるというデータがあります。[注2]
このことから、掃き出しの防犯対策を徹底することで、侵入防止が期待できます。
[注2]警察庁 住まいる110番
掃き出し窓の防犯対策として有効と考えられるのは以下の3つです。
1防犯フィルムの貼付
上述したように、掃き出し窓の多くに設置されているクレセント錠では防犯効果は期待できません。そのため空き巣はクレセント錠付近の窓を割って侵入しようとします。そんなときに役立つのが防犯フィルムです。クレセント錠付近に貼付し窓を割られるのを防げます。
クレセント錠付近に貼るタイプのほか、窓全体に貼るフィルムもあるため、どちらにするか検討し購入するようにしましょう。
2補助錠の利用
クレセント錠や防犯フィルムよりも防犯性の高いものを対策として取り入れたい方は、補助錠を設置するという手段がおすすめです。
補助錠は基本的に窓の最上部に設置することで効果を発揮します。最上部であれば、空き巣は補助錠を開錠するために立ち上がる必要があります。空き巣は周囲の目を気にする傾向にあるため、立ち上がって補助錠を開錠するという目立った行動を避けることが期待できます。
加えて短時間で侵入できない家は、空き巣が撤退しやすいため補助錠をつけるだけでも十分効果があるといえます。
3窓用センサーライトの利用
補助錠と同じように効果が期待できるのが、窓用センサーライトの設置です。これは夜間に侵入しようとする空き巣に大きな効果を発揮するものです。窓に近づく人をライトで照らすため、人目につくことを嫌がる傾向にある空き巣に対して、効果が期待できます。
掃き出し窓は防犯さえすればメリットが多い窓である
以上のことから掃き出し窓にはメリットが多い分、空き巣の侵入を許しやすい場所といえます。しかし、デメリットに関しては防犯対策を取ることで解決可能です。
もし掃き出し窓に何も対策を講じていない場合は、この記事を参考に掃き出し窓の対策を行ないましょう。
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