スマートロックとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方のポイントを解説

防犯 2025.11.19更新(2020.12.25公開)
スマートロックとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方のポイントを解説

スマートロックは、スマートフォンなどを使って施錠や解錠を簡単に行うことができます。利便性やセキュリティ面で、一般的なシリンダー錠より優れているといわれているため、スマートロックの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、スマートロックの仕組みやメリット・デメリット、選び方のポイントについて解説します。

目次

スマートロックとは?

スマートロックとは

スマートロックとは、スマートフォンなどの機器を使って施錠や解錠、管理が可能なシステムです。鍵を取り出さなくてもドアの開け閉めができるため利便性が高く、加えて自宅の防犯性能を高めることができます。最近では、アシスタントAIによる音声コントロールに対応しているモデルもあります。

スマートロックは当初アメリカで注目されはじめました。アメリカではスマートホームデバイスが日本以上に活用されていますが、スマートロックもそのうちの1つです。日本では、初めは貸会議室やオフィス、ホテル、不動産の内覧などで活用されていましたが、最近では住宅での利用も増えてきています。

子どもだけで留守番をさせるときに、離れていても鍵の操作ができ、施錠・解錠の状況もわかるので安心といった、共働きの家庭が抱えていた悩みを解消できるのも注目を集めている理由といえるでしょう。

スマートロックの基本的な仕組み

スマートロックは、ドアのサムターンに本体を設置し、スマートフォンの専用アプリなどを使ってWi-FiやBluetoothで連携を行い施錠・解錠を行う仕組みです。もともとあるサムターンや鍵穴に被せるように設置しシリンダー錠を交換せず使用できるタイプや、錠自体がスマートロックと一体化しておりシリンダーごと交換が必要なタイプがあります。

スマートロックの主な操作タイプ

スマートロックにはさまざまな操作タイプがあるため、以下でご紹介します。

スマートフォン操作タイプ

スマートフォンを使って施錠・解錠を行うタイプです。専用のアプリに暗証番号などを入力することで施錠・解錠をすることができます。

ハンズフリー操作タイプ

あらかじめ登録しているスマートフォンをポケットやかばんに入れている状態で施錠・解錠できるタイプのスマートロックです。荷物で手がふさがっていても施錠・解錠できる便利なタイプです。

マルチデバイス操作タイプ

マルチデバイスタイプは、スマートフォンに加えてカードキー等でも施錠・解錠が可能なタイプのスマートロックです。スマートフォンの充電がなくなってもカードキー等で対応できるといったメリットがあります。

暗証番号操作タイプ

備え付けのテンキーなどで暗証番号を入力して操作するタイプもあります。鍵を持ち歩く必要がなく、またスマートフォンの充電を気にしなくても良い点がメリットです。

生体認証操作タイプ

生体認証タイプは、指紋や顔などの体の一部分を利用して施錠・解錠を行います。生体情報をもとに本人確認を行うことから、なりすましが難しく、比較的セキュリティの高いタイプといえます。

スマートロックを設置するメリット

ここではスマートロックを設置する5つのメリットをご紹介します。

鍵の開け閉めに便利

多くのスマートロックは、スマートフォンのGPSとビーコンを利用して端末との距離を測定し、施錠・解錠に活用しています。そのため、スマートフォンをかばんやポケットに入れた状態で、自動で解錠したり、スマートフォンが家から離れたことを認識したら自動で施錠したりといったことが可能です。鍵を持ち出す必要がなくなり、両手がふさがっている状態でも簡単に開け閉めができます。ただし、使用するスマートフォンを認識する必要があるため、接続の状態により動作が不安定になることがあります。

また、自分でスマートフォンを操作して開閉することも可能であり、状況に応じた施錠・開錠の方法を選択できます。

施錠状況を遠隔で確認できる

スマートロックの中には、鍵が開いているか閉まっているかを遠隔で確認できる機能を搭載した製品もあります。もし、鍵の施錠を失念したときには、遠隔で鍵を閉めることも可能です。

また家族から連絡をもらって鍵を開けるということもできるため、家族が別々に鍵を持つ必要がなくなり、鍵の紛失リスクも少なくなります。誰がいつ鍵を開け閉めしたのかという履歴が自動で残る製品もあり、子どもがいる家庭にも最適です。

セキュリティを強固にできる

多くのスマートロックにはオートロック機能があるため、鍵の閉め忘れがなくなり、無施錠の状態を防ぐことができます。

また、鍵穴やサムターンが露出した一般的なシリンダー錠は、鍵の種類にもよりますが、ピッキングやサムターン回しといった不正な方法で開錠されてしまう可能性があります。
しかし、スマートロックを鍵穴やサムターンに被せて取り付けることで、鍵穴やサムターンが隠れ、ピッキングやサムターン回しの犯行を防ぐ効果が期待できます。

さらに、シリンダーごと交換するタイプであれば、鍵穴などが存在しないものもあるため、ピッキングやサムターン回しの手口で解錠されることはなくなります。

合鍵のシェアが可能

スマートロックには、指定した時間だけ有効なワンタイムパスワードを発行でき、合鍵として利用できるものもあります。この機能は、シェアオフィスやコワーキングスペース、貸会議室、民泊などで利用されています。メールなどでゲストにパスワードを通知することで、人が待機して受付する必要がないため、コストの削減の手段にもなっています。

住宅でも、親族や親しい友人が不在時に訪ねてきたときや、ハウスクリーニングなどのサービス利用時にも役立ちます。合鍵を人に渡すことは紛失などのリスクがありますが、スマートロックによる合鍵なら紛失のリスクもなく、利用時間や権限を管理したり、利用履歴の確認をしたりすることも可能であるため安心です。

導入が比較的簡単

スマートロックは、シリンダーごと交換が必要なタイプもありますが、簡単に後付けできるタイプも増えています。後付けできるタイプは、工事不要で玄関のドアに貼り付けるだけで、スマートロックを利用できます。比較的簡単に導入できる点も、スマートロックのメリットといえるでしょう。

スマートロックを設置する際のデメリット

スマートロックは便利な反面、導入前に把握しておくべきデメリットもあります。

スマートフォンやスマートロック自体の充電切れ

スマートロックは利便性が高い一方で、スマートフォンやスマートロック自体の電源が切れた場合に締め出されてしまうというデメリットがあります。緊急解錠用の物理鍵があるものであれば鍵を使って開けられますが、鍵がない場合はスマートフォンを充電したり、スマートロックの電池交換をしたりしないと解錠できません。そのため、スマートロックの機能や構造を理解しておくのはもちろん、電源が切れる前に電池交換を行う必要があります。

なお、スマートフォンのアプリ経由で操作するタイプのスマートロックの場合は、別の端末にアプリをダウンロードしてログイン情報を入力すれば鍵を開けることが可能なタイプもあります。万一の場合は、家族や友人に協力してもらうことも検討しましょう。

鍵のタイプによって後付けできない場合がある

スマートロックは、鍵のタイプによっては後付けができないケースがあります。例えば、サムターンが埋まっているタイプは設置できないことが多いです。そのため、スマートロックの設置を検討している方は、事前にメーカーのホームページと自宅の鍵の形状を確認し、取り付け可能かチェックしておきましょう。

通信環境が不安定な場所では動作が安定しないことがある

スマートロックには、BluetoothやWi-Fiを通じて施錠・解錠するタイプもあります。また、GPS機能が搭載されていて、位置情報を読み取りスマートロックに近づくことで自動的に施錠・解錠するものもあります。
しかし、通信を必要とするスマートロックは、ドア付近の通信環境によっては動作が安定しないことがあり、注意が必要です。設置予定の場所の通信環境を事前に確認しておくと良いでしょう。

導入にコストがかかる

スマートロックは本体価格だけでなく、設置工事費がかかる場合があります。さらに、リモコンキーやカードキーなどを利用する場合は、オプション費用が別途必要になることもあります。そのため、スマートロックは一般的な鍵に比べて初期費用が高くなる傾向があります。
また、電池交換やアプリの利用料など、導入後にもランニングコストが発生する点も覚えておきましょう。

不正アクセスのリスクがある

BluetoothやWi-Fiを使用することから、不正アクセスやハッキングによるセキュリティリスクが考えられます。通信が暗号化されていなかったり、パスワードを初期設定のまま使用していたりすると、不正開錠のリスクが高まります。
安全に利用するためには、通信の暗号化やネットワークセキュリティの強化、そして定期的なパスワード変更などの対策を行うことが大切です。

スマートロックの選び方

スマートロックを選ぶ際のポイント

スマートロックには特徴ごとにさまざまな製品があり、どれを選べば良いのか迷ってしまうという場合もあるでしょう。ここでは、スマートロックを選ぶ際のポイントを3つご紹介します。

機能や使いやすさから選ぶ

ほとんどのスマートロックにはオートロック機能やハンズフリー解錠が備わっています。ただし、以下の機能には違いがありますので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。

合鍵の上限数

スマートロックは、製品ごとに合鍵の上限が決まっています。家族以外の方が多く出入りする場合は、想定される合鍵の数を確認する必要があります。

緊急解錠機能

緊急解錠機能とは、火事などで室温が一定以上になった場合に、自動で解錠する機能です。緊急解錠機能は、スマートロックが故障した際にも解錠できるように、物理鍵もセットとなっています。

スマホ以外の専用端末キー

スマートフォン以外にカードキーなどで開閉できる機能が必要かもチェックしましょう。スマートフォンを持たない小さな子どもがいる家庭などは、複数の方法で施錠・解錠できるスマートロックを選んだほうが安心です。

電池残量通知機能

機種によってはスマートロック本体の電池残量をスマートフォンに知らせてくれるものもあります。電池残量通知機能が備わっていれば、事前に電池を交換できるため、電池切れによって締め出される心配がなくなります。

コストで選ぶ

スマートロックの価格相場は約1~3万円です。機能の種類や内容が充実するほど価格は上がりますが、決して安い金額ではないので、予算と自分に必要な機能を考えて選ぶことがおすすめです。

取り付け方法で選ぶ

ドアへの取り付け方法で、選ぶこともできます。スマートロックの取り付け方法は、主に3つあります。

粘着テープで貼り付ける方法

粘着テープで貼り付ける方法は取り付けが手軽で、壁やドアを傷つけないため、賃貸住宅での使用にもおすすめです。しかし、粘着テープは外れてしまう可能性があります。外れてしまうと、いざ操作しようとしたときに施錠・解錠ができなくなってしまうため、貼り付け面の確認などには注意が必要です。

工事で穴を開ける方法

ドアに数ミリの穴を開けて、取り付ける方法もあります。穴を開ける方法は設置に手間がかかりますが、粘着テープと比べて固定力が強い点がメリットです。
ただし、穴を開けると原状回復が困難になることから、賃貸物件には向いていない取り付け方法です。

シリンダーを交換する方法

既存のシリンダー(鍵穴)部分を交換して、スマートロックを取り付ける方法もあります。こちらも粘着テープより、外れにくく安心して使えるのがメリットです。また、鍵穴をふさぐことになるため、ピッキングやサムターン回しといった不正開錠を防ぐことが可能です。

スマートロックの導入費用

ここまで、スマートロックのメリット・デメリットや選び方のポイントをご紹介しました。
では、スマートロックを取り付ける際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。スマートロックの導入時には、本体費用だけでなくトータルコストを考える必要があります。ここで、スマートロックの導入費用の目安をご紹介します。

本体費用

スマートロック本体の価格は、機能やブランドによって異なりますが、一般的な相場は1~3万円程度です。スマートフォンとの連携機能や遠隔操作、防犯性能の高さなどによって価格差が生じます。

工事費用

ドアに穴を開ける場合や、シリンダーごと交換する場合は、工事費用が発生する場合があります。スマートロック設置のための工事費用の相場は、4万円前後です。

ランニング費用

スマートロックの導入後は、維持のために費用がかかることがあります。例えば、バッテリー交換費用として年間おおよそ3,000円程度が発生する場合があります。
また、アプリ利用やクラウド連携サービスを利用する場合は月額料金が発生し、月に1,000円程度かかります。

オプション費用

スマートキーには、リモコンキーや遠隔操作を可能にする機能などオプションを付けられる場合があります。
こうしたオプション費用の相場は5,000円~1万円前後となります。必要な機能を見極めて、自分の生活スタイルに合ったプランを選ぶと良いでしょう。

スマートロックに関するよくある質問

次に、スマートロックに関するよくある質問とその回答を見ていきましょう。

Q:スマートロックに工事は必要か?

基本的には、工事不要で設置できるタイプが多いですが、玄関ドアの形状やスマートロックの種類によっては一部工事が必要になる場合もあります。
ご自宅の玄関ドアや施錠タイプ、ご利用予定のスマートロックの仕様を購入前に確認しておくと安心です。

Q:ハッキング対策は可能か?

スマートロックのハッキング対策は十分に可能です。多くのスマートロックには、通信の暗号化処理や施錠・解錠の通知機能、履歴管理機能などが搭載されています。これらの機能によって、不正アクセスのリスクを減らせます。
ALSOKが取り扱っている「SADIOT LOCK2」では、堅牢なクラウドシステムによるセキュリティ対策に加えて、セキュリティチップを搭載しています。ぜひ、ご利用ください。

Q:物理キーでも開けられるか?

既存の施錠をそのまま利用するタイプであれば、スマートフォン操作だけでなく従来の鍵でも開け閉めが可能です。
スマートロックの多くは、既存の鍵穴やサムターンをそのまま利用する後付けタイプです。ただし、シリンダーごと交換するタイプの場合は、物理キーの併用ができないケースもあるため注意しましょう。

スマートロックを導入して自宅のセキュリティを高めましょう

スマートロックは鍵の開け閉めを楽にするだけでなく、自宅のセキュリティを強固にできる便利なアイテムです。防犯対策の一環としてぜひ導入をご検討ください。

サディオロックのイメージ

ALSOKでは、スマートロック「SADIOT LOCK2」をご用意しています。工事や特殊な工具は不要で、ご自身で簡単に取り付けが可能です。施錠・解錠に使用できる機器は、スマートフォンの他に、専用リモコンやスマートウォッチなど、ライフスタイルに合わせてご活用いただけます。ドアが閉まると自動で施錠してくれ、登録したスマートフォンを持って近づくと自動で解錠します。ハッキング対策も強化しているため、セキュリティ面も安心してご利用いただけます。

スマホゲート画像

さらに、お家のセキュリティを強化するにはホームセキュリティの導入もおすすめです。
ALSOKのオンラインセキュリティでは、異常発生時には自動でALSOKが駆けつけます。さらに帰宅時にはスマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時もワンタッチで警備を開始する便利な機能も活用できます。スマートロックと合わせてご利用いただくことで、お手持ちのスマートフォン1台で簡単にセキュリティを強化することが可能です。
また、防犯カメラとアプリ連携ができることから外出中でもリアルタイムで映像を確認でき、異常発生時にはALSOKが駆けつけます。さらに、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。

まとめ

今回は、スマートロックの仕組みやメリット・デメリット、選び方について解説しました。
スマートロックとは、スマートフォンなどの機器を使って施錠や解錠、管理ができる施錠システムのことです。ドアのサムターンに後付けができ、簡単に導入することが可能です。鍵穴やサムターンをスマートロックで隠すことができるため、ピッキングやサムターン回しによる空き巣被害を防ぐ効果が期待できます。施錠・解錠も楽になるため、スマートロックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

【執筆】ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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