要介護認定はどうやって決まる?要支援/要介護認定の基準について

要介護認定はどうやって決まる?要支援/要介護認定の基準について

高齢者・介護 2022.01.13
要介護認定はどうやって決まる?要支援/要介護認定の基準について

介護保険制度は介護が必要となった高齢者とその家族を社会全体で支えていく仕組みのことを指します。
介護当事者の方が必要な介護サービスを受けるにあたってまず必要なのが、要支援/要介護認定です。この記事では要支援/要介護認定の基準や仕組みについて紹介します。

要支援/要介護認定とは?

要支援/要介護認定とは?

「要支援」とは、日常生活の一部において支援が必要な状態を指し、「要介護」は寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態をいいます。
介護保険制度では、要支援/要介護状態になった場合に、介護サービスを受けることが可能です。この要支援/要介護状態にあるかどうか、その中でどの程度のレベルであるか判定を行うのが要支援/要介護認定です。
判定は、まず市区町村の認定調査員による訪問調査(心身の状況調査)が行われ、その結果と被保険者の主治医による「主治医意見書」の内容に基づき、コンピュータで一次判定が行われます。さらに介護認定審査会の主治医意見書確認による二次判定が行われ、最終的に要支援/要介護度が正式に認定・通知されます。

自立・要支援・要介護の違い

自立・要支援・要介護の違い

次に要支援・要介護の違いについて解説します。どちらにも当てはまらない状態のことを、自立と表現します。

自立

自立(要支援/要介護ではない)とは、歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本動作(食事、排せつ、入浴など)を自分で行うことが可能であり、かつ自身の内服薬管理や金銭管理、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態のことをさします。

要支援

要支援状態とは、日常生活の基本動作(食事、排せつ、入浴など)については基本的に自分で行うことができますが、買い物や金銭管理など日常生活において比較的複雑な動作の一部に介助や見守りが必要な状態です。また現在の状態から要介護状態となることを防ぐために、何らかの日常動作の支援が必要な方のことを指します。

要介護

要介護状態とは日常生活上の基本動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護が必要な方を指します。

このように、部分的な介助が必要な場合は要支援、日常生活の全般において介護が必要な場合を要介護といい、要支援/要介護の中でも程度によって介助・介護の度合いが変わります。自立(65歳以上)に該当される方に関しても自治体などによっては介護予防・生活支援サービスを受けることが可能です。

要支援/要介護認定の基準

要支援/要介護認定は、介護の手間を表すものさしとしての時間である「要介護認定等基準時間」にあてはめ、さらに認知症高齢者の指標を加味して実施するものです。
「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年4月30日厚生省令第58号)」として定められています。

要介護認定等基準時間とは

要介護認定等基準時間とは、一日当たりに介護が必要な時間のことを指しており、下記の図の通り5つに分類されます。

直接
生活介助
入浴、排せつ、食事等の介助
間接
生活介助
洗濯、掃除等の家事援助等
問題行動
関連行為
徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末
機能訓練
関連行為
歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
医療関連
行為
輸液の管理、じょくそうの処置の診療の補助

直接生活介助は、入浴、排せつ、食事等の日常生活における介助のことをいいます。
間接生活介助は、洗濯、掃除などの家事に関する援助を行うことです。
問題行動関連行為は、徘徊行動をしてしまう高齢者の探索、不潔な行為に対する対応、暴力行為に対する対応などのことをいいます。
機能訓練関連行為は歩行訓練や日常生活訓練などの機能訓練をいいます。
医療関連行為は輸液の管理、じょくそう(寝たきりの状態が続くことにより、一部に圧力が集中し徐々に皮膚が壊れて行ってしまう状態)の処置などの診療の補助をいいます。

要介護認定等基準時間による要支援・要介護の区分

上記5分野に必要な介護の時間を要介護認定等基準時間に当てはめて判定し、要支援1、2・要介護1~5に分けられます。

要支援1 上記5分野の要介護認定等基準時間が25分以上32分未満またはこれに相当する状態
要支援2
要介護1
上記5分野の要介護認定等基準時間が32分以上50分未満またはこれに相当する状態
(※要支援2と要介護1の振り分けにつきましては以下本文の説明をお読みください。)
要介護2 上記5分野の要介護認定等基準時間が50分以上70分未満またはこれに相当する状態
要介護3 上記5分野の要介護認定等基準時間が70分以上90分未満またはこれに相当する状態
要介護4 上記5分野の要介護認定等基準時間が90分以上110分未満またはこれに相当する状態
要介護5 上記5分野の要介護認定等基準時間が110分以上またはこれに相当する状態

参照:厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo2.html

要介護認定等基準時間に加えて加味される心身の状態について、ここからは詳しく解説します。
まず要支援2と要介護1についてですが、介護認定審査会による要介護1への振り分けの判断については2つの要素があります。
1つ目は「状態の安定性」です。状態の安定性とは、病状そのものではなく、介護の量の増加につながる変化が発生するかどうかというものです。身体・精神障害により、6ヶ月にわたり継続して日常生活の一部に支障がある状態で、認定後6ヶ月以内に介護度の再評価が必要かどうかという観点から判断されます。
2つ目は「認知症高齢者の日常生活自立度」です。認知症の状況をランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、M で評価するもので、その度合いが高いと要介護1に判定される可能性が高まります。

要支援

「要支援1」は、自宅での生活において、日常生活動作(食事・排せつ・入浴)を基本的に1人で行うことが可能であるが、手段的日常生活動作(掃除・料理・洗濯・買い物等)で一部介助が必要、または悪化防止のため何らかの支援が必要な状態を指します。

「要支援2」は、要支援1の事項に加え、下肢筋力低下により歩行状態が不安定で、今後日常生活において「介護」が必要になる可能性のある状態を指します。

要介護

要介護は1~5の区分に分けられています。
要介護認定の目安として、「要介護1」は立ち上がりや歩行が不安定であり、日常生活において部分的に介護が必要な状態のことを指します。
「要介護2」は立ち上がりや歩行が自力でできないことが多く、日常生活全般に部分的な介助が必要な状態のことを指します。
「要介護3」は立ち上がりや歩行が自力では困難で、日常生活全般に全介助が必要な状態、または認知症の症状があり、日常生活に影響がある状態のことを指します。
「要介護4」は、立ち上がりや歩行が自力ではほとんどできず、食事などの日常生活が介護を必要とする状態(介護がないと日常生活が送れない)です。また、コミュニケーションの部分でも、理解力の低下があり、意思疎通がやや難しい状態のことを指します。
「要介護5」は寝たきりの状態で、日常生活全般ですべての介助が必要です。それに加え理解力低下が進み、意思疎通が困難な状態を指します。

このように、要支援・要介護の中でも介護の度合いによってさまざまな状態に区分されており、この基準によって予防・介護給付額が決められ、それぞれ受けられる介護サービスの種類が決まっていきます。

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まとめ

高齢者やその家族が最後の瞬間まで豊かな生活を送るために、身近な介護サービスについて知ることは大切なことです。介護保険制度の仕組み、概要を知ることで今後のご両親もしくはご自身の生活環境について考えるよい機会になれば幸いです。

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