高齢者を強盗被害から守るには?すぐにできる強盗対策を詳しく解説

近年、高齢者を狙った強盗事件が増加傾向にあり、社会問題となっています。高齢のご家族と離れて暮らしている場合、被害に遭わないか心配になる方は多いでしょう。また、同居している場合でも、家族が留守の間に犯罪被害に遭う可能性は常に存在します。
高齢者は身体機能や判断力の低下から、犯罪のターゲットにされやすい傾向があります。本記事では、高齢者を強盗被害から守るための対策について詳しく解説します。ご自身や大切なご家族の安全を守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
強盗被害の現状
警察庁の統計によると、長らく減少傾向でしたが令和5年から増加に転じており、特に高齢者を狙った住宅強盗事件が全国的に発生しています。

また強盗だけでなく、「居空き」「忍び込み」といった侵入窃盗も発生しており、侵入窃盗全体の約3割を占めています。居空きとは、在宅中に住人が気づかないうちに侵入して金品を盗む手口です。忍び込みは、住人が寝ている間に侵入して金品を盗む手口を指します。居空きや忍び込みは犯人と遭遇した際、強盗被害に発展するおそれがあります。
高齢者が被害に遭った強盗事件事例
令和6年8月以降、「闇バイト強盗」と呼ばれる事件が相次いで発生しました。闇バイトとは、SNSなどで違法な仕事を募集し、報酬と引き換えに犯罪行為を強要するものです。
令和7年に入ってからも、高齢者を狙った強盗事件が発生しています。
- 令和6年10月、千葉県船橋市で高齢夫婦宅が強盗被害に遭いました。夜間に2人組の犯人が侵入し、現金900万円を奪って逃走しました。70代の妻は暴行を受け重傷を負っています。
- 令和7年4月、愛媛県新居浜市では70代の高齢女性宅で強盗事件が発生しました。犯人は女性を毛布で押さえつけたうえ、現金を奪いました。
高齢者が強盗に狙われる理由
高齢者が強盗被害に遭いやすい理由には、いくつかの要因があります。
身体機能の低下
加齢に伴い、視力や聴力などの身体機能が低下することがあります。目や耳の機能が衰えると、不審な人物や物音に気づきにくくなります。また、犯罪者側からすると、身体的に抵抗力の弱い高齢者であれば、たとえ反撃されてもねじ伏せられるなどと考えている可能性があります。
タンス預金

高齢者の中には、銀行に預けず自宅に現金を保管する「タンス預金」の習慣がある方も少なくありません。犯罪者はこうした情報を事前に調査し、現金が自宅にあると判断した住宅をターゲットにすることがあります。
認知機能と判断力の低下
年齢を重ねると、認知機能や判断力が低下することがあります。侵入強盗の場合、事前に電話や訪問で下見を行うケースがあり、認知能力が一般の高齢者よりも衰えていると判断された場合に、犯行のターゲットにされるおそれがあります。
警察庁の統計によると、特殊詐欺の被害者の約8割が65歳以上の高齢者です。これは判断力の低下により、不審な電話や訪問に対して適切に対応できないことが一因と考えられています。
住まいの強盗対策
強盗被害のリスクを減らすには、住まいの防犯対策を強化することが重要です。以下に効果的な対策をご紹介します。
補助錠を取り付ける
玄関や勝手口に補助錠を取り付けることで、開錠に時間がかかるため、侵入のハードルを上げることができます。ディンプルキーなどのピッキングに強い錠への交換や、ドアガードの設置も効果的です。
窓に防犯フィルムを取り付ける
強盗犯は窓のガラスを割って侵入するケースが多いため、防犯フィルムを取り付けることでガラスの強度が向上し、侵入を防ぐことができます。防犯フィルムを貼ったガラスは簡単には割れず、また割ろうとすると大きな音が出るため、犯行を諦めさせる効果があります。
防犯カメラ、センサーライトを取り付ける
強盗事件は深夜から明け方にかけて発生することが多いため、防犯カメラやセンサーライトを設置することで暗がりでも人の目を意識させられ、犯罪抑止効果が期待できます。暗闇で突然明かりがつくと犯人は驚き、侵入を躊躇する可能性が高まります。
在宅警備モードのあるホームセキュリティを導入する
在宅警備モードを備えたホームセキュリティシステムを導入することで、留守中だけでなく在宅時も住まいを守ることができます。2階で就寝中に1階部分のみを警戒するといった設定も可能で、センサーが感知すると警報音などが鳴るため、居空きや忍び込みの対策にも有効です。
万が一強盗に侵入された場合でも、警報音で犯人を威嚇できるほか、警備員が駆けつけるため安心です。また、警備会社のステッカーを貼ることで、犯行を試みる者に防犯性の高い家であることを伝え、侵入を諦めさせる効果があります。
日頃からできる強盗対策
日常生活の中で実践できる強盗対策をご紹介します。
施錠を習慣化する
高齢者の中には、習慣として鍵をかけずに生活している方も少なくありません。家族や周囲の方が声をかけ、不在時はもちろん在宅時も玄関や窓の施錠を習慣づけることが大切です。
鍵の施解錠やオートロックなどをスマートフォンで操作できる「スマートロック」を導入すれば、家族が外出や帰宅の状況を把握できるほか、施錠忘れも防止できます。また、専用のリモコンで施解錠できるタイプもあり、スマートフォンを持たない高齢者でも安心して利用できます。
不審な電話には出ない

近年、「アポ電強盗」と呼ばれる手口が増加しています。これは電話で家族構成や資産状況を聞き出し、在宅状況などを確認してから住宅に押し入る手口です。
知らない番号からの電話には出ないようにするか、出る場合も個人情報は決して教えないよう注意しましょう。高齢のご家族とは、不審な来客や電話があった際の対応について事前に話し合っておくことも重要です。
迷惑電話拒否サービスを利用することで、不審な電話を自動的にブロックすることも可能です。
訪問者に対してはチェーンやドアガードをかけたまま対応する
見知らぬ人が訪ねてきた場合は、ドアチェーンやドアガードをかけたまま対応しましょう。公共機関の職員などを名乗っても、身分証明書の提示をしないなど、不審に感じたら毅然とした態度で断ることが大切です。
万が一に備え、玄関に防犯ブザーを置いておく
玄関付近に防犯ブザーを設置しておくと、緊急時すぐにブザーを鳴らして周囲に知らせることができます。加えて、犯人を威嚇する効果も期待できます。
逃げられない時に備え、施錠して一時避難できる場所を確認しておく
緊急時は逃げることが最重要ですが、高齢者の場合とっさの判断が遅れるケースも想定されます。逃げられない時に備えて、寝室や別室など施錠して一時避難できる場所を確保しておきましょう。一時避難できる場所があれば、安全を確保した状態で警察への通報など次の行動に移るための時間を稼ぐことができます。
在宅時に不審者に侵入された場合の対応
万が一、在宅中に不審者が侵入してきた場合の対応についてご説明します。
命を守る行動をとる
不審者の侵入に気づいた場合、まずは身の安全を最優先に考えましょう。以下の心構えが重要です。
- むやみに様子を確認しない
- 逃げても追いかけない
- 早く外に出る、もしくは鍵のかかる部屋に避難する
- 鉢合わせた場合は怒鳴らない
- 刺激をしない
大声で助けを求めることも一つの方法ですが、状況によっては犯人を刺激しない方が安全な場合もあります。無理に抵抗せず、命を守ることを優先に行動しましょう。
安全なところから110番通報する
不審者に気づいたら、安全な場所に避難し、すぐに110番通報しましょう。通報の際は、住所、状況、犯人の特徴などをできるだけ詳しく伝えることが重要です。
高齢者の強盗対策におすすめしたいALSOKのホームセキュリティ

高齢者の安全を守るためには、ホームセキュリティの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入などの異常発生時に、自動でALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能もあります。
在宅警備モードの活用
ALSOKのホームセキュリティには「在宅警備モード」があり、就寝中や家の中にいる時でも防犯システムを作動できます。例えば、2階で就寝中に1階のセンサーが反応した場合、警報メッセージが流れるため犯人への威嚇となり、犯行を諦める効果が期待できます。
非常押ボタン
緊急時にはワンタッチで警備員を呼べる非常押ボタンもオプションで追加が可能です。高齢者はとっさの判断が遅れる可能性があり、連絡手段となる携帯電話が近くにない場合もあるため、非常押ボタンはいざというときの安心感につながります。
ALSOKステッカー
ALSOKのホームセキュリティにご加入いただいた際、ALSOKとのご契約の証としてALSOKステッカーをご自宅に貼り付けさせていただきます。ALSOKのステッカーを住宅の外から見える場所に貼ることで、犯罪抑止効果が期待できます。犯罪者は警備会社と契約している住宅を避ける傾向があるためです。
まとめ
高齢者を狙った強盗事件は増加傾向にあり、対策が重要になっています。ご家族は高齢者と住まいや日常の防犯対策を話し合い、取り組めるものから導入を検討しましょう。
高齢者の方ご本人はもちろん、ご家族の方々も一緒に防犯意識を高めることが大切です。