高齢者を強盗被害から守るには?手口・狙われる理由・今すぐできる対策

防犯 2026.06.18更新(2025.05.27公開)
高齢者を強盗被害から守るには?手口・狙われる理由・今すぐできる対策

本記事では、高齢者を狙った強盗被害の現状と手口、狙われやすい理由を整理し、今すぐ実践できる防犯対策を具体的に解説します。

近年、高齢者を狙った強盗事件が増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。高齢のご家族と離れて暮らしている場合、「気づかない間に被害に遭わないか心配」「何から対策をすればいいか分からない」と感じている方は多いでしょう。また、同居している場合でも、突然の訪問者への対応や電話の受け答え、ゴミ出しなど、日常のふとした瞬間が危険につながることがあります。

【この記事で分かること】

  • 高齢者を狙った強盗被害の現状
  • 高齢者が狙われやすい主な理由
  • 強盗被害の代表的な手口の特徴
  • 住まい・日常で今すぐできる防犯対策
  • 万が一侵入されたときの安全確保と通報の考え方

目次

強盗被害の現状

警察庁の統計によると、侵入強盗認知件数は長らく減少傾向でしたが、2023年(令和5年)に414件に増加しました。2024年(令和6年)も357件の侵入強盗が発生しています。特に近年は、「闇バイト」を利用した広域強盗事件が連続して発生し、高齢者が狙われる事例も相次いでいます。

侵入強盗の認知状況の推移

参考:警察庁 刑法犯に関する統計資料 - 令和6年の刑法犯に関する統計資料

また強盗だけでなく、「居空き」「忍び込み」といった侵入窃盗も依然として発生しています。居空きとは、在宅中に住人が気づかないうちに侵入して現金や貴重品を盗む手口です。忍び込みは、住人が寝ている間に侵入して現金や貴重品を盗む手口を指します。居空きや忍び込みは犯人と遭遇した際、強盗被害に発展するおそれがあります。
こうした犯罪情勢を踏まえると、高齢者とその家族が被害に遭わないための正しい知識を持ち、早めに対策を講じることが重要です。警察庁や地域の警察署のホームページなどで最新の事件情報などを確認することをおすすめします。

高齢者が被害に遭った強盗事件事例

以下の事例は、いずれも警察など公的機関を通じて確認された事案です。

  • 令和6年10月、千葉県船橋市で高齢夫婦宅が強盗被害に遭いました。夜間に2人組の犯人が侵入し、現金900万円を奪って逃走しました。70代の妻は暴行を受け重傷を負っています。
  • 令和7年4月、愛媛県新居浜市では70代の高齢女性宅で強盗事件が発生しました。犯人は女性を毛布で押さえつけたうえ、現金を奪いました。
  • 令和7年12月、静岡県長泉町で80代の夫婦が強盗被害に遭いました。就寝中、店舗兼住宅の窓ガラスを割るなどして3人組の犯人が押し入り、現金およそ1,000万円を奪いました。80代の夫婦は口や手をテープで縛られましたが、怪我はありませんでした。
  • 令和8年5月、奈良市の住宅で70代の女性がゴミ出しのために玄関から出たところ、2人組の犯人に襲われました。1人が後ろから女性の口をふさぎ、もう1人が住宅に侵入しポーチ1個を奪って逃走しました。
  • 令和8年5月、大阪府守口市で80代の女性が強盗被害に遭いました。女性が昼間に公園付近を散歩していたところ、若い男女グループが声をかけ、羽交い締めにするなどして現金約8万円を奪って逃走しました。

高齢者が強盗に狙われる理由

高齢者が強盗被害に遭いやすい理由には、「身体機能の低下」「自宅への現金保管」「認知機能と判断力の低下」「社会的な孤立」という4つの要因があります。

身体機能の低下

加齢に伴い、視力や聴力などの身体機能が低下することがあります。目や耳の機能が衰えると、不審な人物や物音に気づきにくくなります。また、強盗犯からすると、抵抗する力が弱くなっているので、反撃されても制圧できると考えられている可能性があります。

タンス預金

タンス預金

高齢者の中には、銀行に預けず自宅に現金を保管する「タンス預金」の習慣がある方も少なくありません。犯罪者はこうした情報を事前に調査し、現金が自宅にあると判断した住宅をターゲットにすることがあります。
現金の保管場所や管理方法を見直し、必要以上の現金を自宅に置かないことが重要です。

認知機能と判断力の低下

年齢を重ねると、認知機能や判断力が低下することがあります。犯罪者は事前に電話や訪問で下見を行うケースがあり、不審な連絡や来訪に対して適切に対応できないと判断された場合、犯行のターゲットにされるおそれがあります。
また、こうした下見の段階では、業者などを装って訪問したり電話をかけたりしながら、家族構成や在宅状況、資産の有無といった情報を聞き出そうとする手口も確認されています。特に、高齢者はこうした問いかけに対して警戒心が緩みやすく、会話の中で資産状況や生活実態を話してしまうケースがあります。得られた情報は犯行計画に利用されるおそれがあり、高齢者は強盗のターゲットとして狙われやすいとされています。

社会的な孤立

一人暮らしや高齢者のみの世帯は、周囲の目が届きにくく、犯罪の標的になりやすい傾向があります。特に近隣住民との交流が少ない場合、異変が起きても助けを求めることが難しく、発見が遅れることもあるでしょう。このような孤立した環境は、犯罪者にとって「周囲に気づかれないターゲット」と認識されるおそれがあります。

強盗の主な手口

高齢者を狙った強盗には、大きく分けて「アポ電強盗」「押し込み強盗」「闇バイト強盗」「路上での強盗」の4つの手口があります。
※以下で使用する名称は罪名ではなく、報道や警察の注意喚起で用いられている便宜上の呼び方です。

アポ電強盗

事前に電話をかけて家族構成や貴重品の場所、現金の有無などを聞き出した後、実際に押し入って現金や貴重品を奪う手口です。「銀行の者ですが、口座を確認したい」「警察ですが、詐欺被害に遭っている可能性があります」など、相手の警戒を解く口実で接触してきます。

押し込み強盗

ドアを開けた隙を突いて自宅に押し込み、現金や貴重品を奪う手口です。住人が在宅している時間帯を狙うことが多く、宅配業者や水道・ガス点検業者、工事業者を装って訪問するケースも報告されています。犯人と直接対面するため、被害者が怪我を負うなど、被害が深刻化しやすい特徴があります。

闇バイト強盗(広域強盗)

SNSなどで「高収入」「簡単な仕事」といった募集をきっかけに集められた人が実行犯となり、見知らぬ住宅に押し入って強盗を行う手口です。
指示役と実行犯が分かれており、実行犯は指示に従って突然自宅に侵入してくるため、被害者にとっては予測が難しく、不意に危険な状況に巻き込まれるおそれがあります。
また、複数人で犯行に及ぶケースも多く、暴力を伴うなど被害が深刻化しやすい点が特徴です。さらに、実行犯が個人情報を握られていることから犯行がエスカレートしやすく、重大な被害につながるケースもあり、警察も強く注意を呼びかけています。

路上での強盗(ひったくり・暴行)

外出中の高齢者を狙い、背後からバッグのひったくりや暴行を行って現金や貴重品を奪う手口です。夜間・早朝だけでなく、「安全だろう」と思われがちな昼間の時間帯にも被害が発生しています。

日頃からできる高齢者の強盗対策

日頃から防犯意識を高めることが、強盗被害を防ぐ第一歩です。今すぐ実践できる強盗対策として、「施錠の徹底」「不審な電話への対応」「訪問者の確認」の3点をご紹介します。

施錠を習慣化する

高齢者の中には、習慣として鍵をかけずに生活している方も少なくありません。家族や周囲の方が声をかけ、不在時はもちろん在宅時・就寝時も玄関や窓の施錠を習慣づけることが大切です。

鍵の施解錠やオートロックなどをスマートフォンで操作できる「スマートロック」を導入すれば、家族が外出や帰宅の状況を把握できるほか、施錠忘れも防止できます。また、専用のリモコンで施解錠できるタイプもあり、スマートフォンを持たない高齢者でも安心して利用できます。

不審な電話には出ない

不審な電話に出る高齢者

近年、「アポ電強盗」と呼ばれる手口が増加しています。

知らない番号からの電話には出ないようにするか、出る場合も個人情報は決して教えないよう注意しましょう。高齢のご家族とは、不審な来客や電話があった際の対応について事前に話し合っておくことも重要です。

迷惑電話拒否サービスを利用することで、不審な電話を自動的にブロックすることも可能です。

訪問者にはチェーンやドアガードをかけたまま対応する

見知らぬ人が訪ねてきた場合は、ドアチェーンやドアガードをかけたまま対応しましょう。公共機関の職員などを名乗り、身分証を提示しない、あるいは身分証を提示しても身に覚えがないなど、不審に感じたら毅然とした態度で断ることが大切です。

玄関に防犯ブザーを置いておく

玄関付近に防犯ブザーを設置しておくと、緊急時すぐにブザーを鳴らして周囲に知らせることができます。加えて、犯人を威嚇する効果も期待できます。

一時避難できる場所を確認しておく

緊急時は屋外に避難することが最重要ですが、高齢者の場合とっさの判断が遅れるケースも想定されます。逃げられない時に備えて、寝室や別室など施錠して一時避難できる場所を確保しておきましょう。一時避難できる場所があれば、安全な状態で通報など次の行動に移る時間を確保できます。

こまめに家族と情報共有をする

離れて暮らす家族がいる場合、日常的に連絡を取り合う習慣を持つことが大切です。「最近変な電話がかかってきた」「見知らぬ人が訪ねてきた」といった小さな違和感を家族と共有することで、早期に危険を察知し、対処することができます。

万が一、不審者に侵入された場合の対応

万が一、在宅中に不審者が侵入してきた場合、「命を守る行動をとること」を最優先にしてください。現金や貴重品よりも自身の安全を第一とし、安全が確保できてから通報することが重要です。

命を守る行動をとる

不審者の侵入に気づいた場合、まずは身の安全を最優先に考えましょう。以下の心構えが重要です。

  • 速やかに屋外に避難する、もしくは鍵のかかる部屋に避難する
  • むやみに様子を確認しない
  • 逃げても追いかけない
  • 刺激をしない

大声で助けを求めることも一つの方法ですが、状況によっては犯人を刺激しない方が安全な場合もあります。屋外に避難する、鍵のかかる部屋に避難するなど、物理的な距離をとることが大切です。もし鉢合わせてしまっても刺激したり、無理に抵抗したりせず、命を守ることを優先に行動しましょう。

安全なところから110番通報する

安全な場所に避難したら、すぐに110番通報しましょう。通報の際は、住所、状況、犯人の特徴などをできるだけ詳しく伝えることが重要です。落ち着いて、分かる範囲で説明しましょう。

住まいの強盗対策

強盗被害のリスクを減らすには、住まいの防犯対策を強化することが重要です。補助錠、防犯フィルム、防犯カメラ、ホームセキュリティを組み合わせることで、より高い防犯効果が見込まれます。

補助錠を取り付ける

玄関や勝手口に補助錠を取り付けることで、開錠に時間がかかるため、侵入しにくくする効果が期待できます。ディンプルキーなどのピッキングに強い錠への交換や、ドアガードの設置も効果的です。

窓に防犯フィルムを取り付ける

強盗犯は窓ガラスを割って侵入するケースが多いため、防犯フィルムを取り付けることで侵入までに時間をかけさせ、侵入抑止効果が期待できます。また、割ろうとすると大きな音が出るため、犯行を諦めさせる効果があります。

防犯カメラ、センサーライトを取り付ける

防犯カメラやセンサーライトの存在は、下見の段階で犯行を断念させる効果が期待できます。特に深夜から明け方にかけて発生しやすい強盗対策に有効で、暗がりでも人の目を意識させることで犯罪抑止効果が期待できます。なお、ダミーカメラはダミーと見破られると効果が薄れるため、証拠保全の観点からも録画・監視機能を備えた製品を選ぶことが望ましいです。

在宅警備モードのあるホームセキュリティを導入する

在宅警備モードを備えたホームセキュリティシステムを導入することで、留守中だけでなく在宅時も住まいを守ることができます。2階で就寝中に1階部分のみを警戒するといった設定も可能で、センサーが感知すると警報音などが鳴るため、居空きや忍び込みの対策にも有効です。

万が一強盗に侵入された場合でも、警報音で犯人を威嚇できるほか、警備員が駆けつけるため安心です。また、警備会社のステッカーを貼ることで、犯行を試みる者に防犯性の高い家であることを伝え、侵入を諦めさせる効果があります。

高齢者の強盗対策におすすめしたいALSOKのホームセキュリティ

ホームアルソックコネクトのスマホゲート

高齢者の安全を守るためには、ホームセキュリティの導入をおすすめします。

ALSOKのホームセキュリティは、「オンラインセキュリティ」「セルフセキュリティ」の2種類から選択できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入などの異常発生時に、ALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能もあります。
セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。

特徴①:在宅警備モードの活用

ALSOKのホームセキュリティには「在宅警備モード」があり、就寝中や家の中にいる時でも防犯システムを作動できます。例えば、2階で就寝中に1階のセンサーが反応した場合、警報メッセージが流れるため犯人への威嚇となり、犯行を諦めさせる効果が期待できます。

特徴②:非常押ボタン

緊急時にはワンタッチで警備員を呼べる非常押ボタンもオプションで追加が可能です。高齢者はとっさの判断が遅れる可能性があり、連絡手段となる携帯電話が近くにない場合もあるため、非常押ボタンはいざというときの安心感につながります。

特徴③:ALSOKステッカー

ALSOKのホームセキュリティにご加入いただいた際、ALSOKとのご契約の証としてALSOKステッカーをご自宅に貼り付けさせていただきます。ALSOKのステッカーを住宅の外から見える場所に貼ることで、犯罪抑止効果が期待できます。

高齢者の強盗対策に関するよくある質問

Q:アポ電に気づかず答えてしまった場合はどうすればよいですか?

A:家族構成や貴重品の保管場所などの情報を伝えてしまった場合は、速やかに地域の警察署に相談し、防犯指導や注意喚起を受けることが大切です。あわせて補助錠や防犯カメラの設置など、自宅の防犯対策を早急に見直すことが重要です。家族にも状況を共有し、連携して対応しましょう。

Q:防犯カメラやセンサーライトは自分で設置できますか?

A:市販品の中には自分で設置できるものもあります。ただし、自分での設置は死角が生じやすく、設置場所によっては作業が困難な場合もあります。効果的な配置と配線の仕上がりを考えると、専門業者への依頼を検討することが望ましいでしょう。

Q:ホームセキュリティと防犯カメラはどちらを先に導入すればよいですか?

A:一般的にホームセキュリティの方が費用がかかるため、費用を抑えたい場合は防犯カメラや補助錠の設置から始め、段階的に導入を検討するのも一つの方法です。防犯の目的や住まいの状況によって最適な選択肢は異なるため、まずは専門業者に相談し、自宅の環境に合った対策方法を確認することをおすすめします。

まとめ

高齢者を狙った強盗は年々多様化しており、被害を防ぐためにも日頃からの防犯対策が重要になっています。自宅の施錠を徹底し、不審な電話や訪問に警戒するとともに、家族間で防犯情報を共有することが大切です。また、防犯カメラやセンサーライトなどの防犯機器、ホームセキュリティの導入も有効な対策です。
高齢者の方ご本人はもちろん、ご家族の方々も一緒に防犯意識を高め、できることから段階的に対策を進めることが安全・安心な暮らしにつながります。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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