遠方で暮らす高齢者の見守り・介護に見守りカメラを活用しよう

高齢になった親と離れて暮らしていると、何かと心配が尽きないものです。病気、転倒、強盗、火災などのリスクが懸念されます。しっかりしているから大丈夫だろうと思っていても、いつ何が起こるかわかりません。本コラムでは、離れて暮らす親の様子を見ることができる見守りカメラと万一のときに役立つホームセキュリティをご紹介します。
目次
高齢者の見守り・介護には見守りカメラの活用がおすすめ
厚生労働省の調査によると、介護保険法の要支援または要介護と認定された方のうち、自宅で介護を受けている場合の「主な介護者との同居割合」は45.9%となっています。
離れて暮らす高齢の親御さんの体調や生活ぶりを日々気にかけながら、「同居したほうが安心かもしれない」と悩む方も多いでしょう。しかし、生活スタイルや価値観の違いがストレスにつながることもあり、必ずしも同居が最善とは限りません。一定の距離感を保ったほうがうまくいくこともあります。
前述の調査でも、11.8%の要介護者は「別居の家族等」から介護を受けているとされています。離れて暮らすことでそれぞれの生活リズムを保ちつつ、お互いに安心して暮らすための手段として人気なのが「見守りカメラ」の導入です。
出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」
見守りカメラとは

見守りカメラとは、カメラを通じて遠隔地の映像をリアルタイムで確認し、被介護者や家族の状況を素早く把握するために用いられるカメラです。見守りカメラを設置することで、いつでも・どこでも自宅の様子を確認できるため、日々の安否確認や体調の変化を見逃さないための手段として活用されています。
見守りカメラを設置していれば、万が一転倒や体調不良などのトラブルが発生した場合でも、救急隊員などにその旨を伝えてすぐに駆けつけてもらうことが可能です。近年では安価で高性能な見守りカメラが多く販売されており、介護施設だけでなく一般家庭でも導入しやすくなっています。
見守りカメラの活用例
離れて暮らす親御さんの見守り
離れて住む親御さんの家に見守りカメラを設置することで、いつでも・どこでも親御さんの様子を映像で確認できます。何か異変があった際にもすぐに気づくことができるため、見守る側・見守られる側双方に安心感をもたらします。
介護の必要な親御さんの見守り
ご高齢の親御さんと同居している場合でも、仕事や買い物などで家を空けなければならない場面は少なくありません。そのような場合も、見守りカメラを設置することで、外出先から親御さんの様子をリアルタイムで確認できます。
お留守番する子どもの見守り
共働きの家庭では、小学校低学年くらいの子どもにひとりで留守番を任せる機会もあるでしょう。見守りカメラがあれば、外出先から映像で子どもの安全を確認できます。通話・会話機能付きの見守りカメラであれば、子どもが危ないことをしていたときに声をかけて注意することもでき、安心して留守番を任せられます。
ペットの見守り
見守りカメラは、ペットカメラとしても利用できます。外出先から自宅のペットの様子を確認し、体調不良などのサインに気づきやすくなります。特に、高齢のペットや持病のあるペットを飼っているご家庭では、健康管理にも役立つツールです。
見守りカメラを設置するメリット
見守りカメラを高齢者の介護や見守りに活用すれば、見守る側も見守られる側も安心して日々を過ごすことができます。ここでは、見守りカメラを導入する主なメリットをご紹介します。
簡単に設置できる
見守りカメラは、インターネット回線さえあれば特別な工事なしで設置できるものが主流です。Wi-Fiに接続して電源を入れるだけで使えるカメラも多く、パソコンの知識がない方でも簡単に導入できます。壁に穴を開けずに設置できる置き型タイプもあり、賃貸住宅で設置しやすいのも魅力です。
高齢者の様子をリアルタイムに確認できる
見守りカメラは、スマートフォンやタブレットに対応している製品が多く、専用アプリなどを開くだけでリアルタイムの映像を確認できます。ちょっとした異変にも気づきやすくなるため、親御さんと離れて暮らす方でも安心です。
適切な距離を保ちながら見守りができる
高齢の親と同居する場合、一緒に暮らす安心感はあるものの、生活スタイルの違いがストレスの原因になることもあります。就寝や食事・入浴のタイミング、家事の仕方など、些細な違いが負担になるケースも少なくありません。
見守りカメラがあれば、一定の距離を保ちながら親の様子を確認でき、必要なときに声をかけることも可能です。干渉しすぎず、無理のない見守りを実現できます。
会話できるものもある
見守りカメラには、スピーカーやマイク、各種センサーが付いている機種もあります。カメラ越しに親と会話ができるため、孤独感の軽減や認知症予防にも役立ちます。また、急な体調不良やケガの際に、映像だけでなく音声でも異変に気づきやすくなるため、素早い対応が可能になります。
介護計画の作成に役立つ
見守りカメラを通じて日々の行動パターンや生活状況を把握しておくことで、今後の介護計画を立てる際の判断材料にもなります。例えば、「段差のないところでつまずくことが多い」「食事の時間が短い」などの傾向が読み取れたら、ケアマネジャーへの相談もしやすくなります。見守りカメラは、ただの防犯・確認ツールではなく、より適切な介護を行うための情報収集ツールとしても活用できるのです。
見守りカメラを設置する際の注意点
見守りカメラを設置する際には、下記のポイントに注意しておきましょう。
相手の了承を得てから設置する
見守りカメラを設置する際は、たとえ家族であっても必ず本人の了承を得ることが大切です。見守りを目的にしている場合でも、設置すると「監視されている」と相手が感じる可能性があります。
また、カメラの存在をストレスに感じる方もいるため、目立たない場所へ設置するなどの配慮も必要です。目線の高さは避け、生活空間になじむデザインのカメラを選ぶと良いでしょう。
スピーカーの音がしっかりと聞こえる場所に設置する
会話機能のある見守りカメラを設置する場合は、スピーカーの音がしっかり届く場所へ設置することも重要です。テレビの近くなど、設置場所によって生活音にかき消されることもあるため、比較的静かで万が一の際にこちらの声が通りやすい場所を選びましょう。
首振り機能が問題なく動作する場所に設置する
首振り機能とは、カメラを上下左右さまざまな方向に動かせる機能です。首振り機能付きのカメラを利用する場合は、可動範囲に障害物がないように設置する必要があります。壁や家具が近すぎるとカメラの動作が妨げられ、映したい場所が見えなくなってしまいます。カメラの周辺に十分なスペースを確保し、スムーズに動かせるよう配慮しましょう。
見守りカメラの選び方のポイント

ここでは、見守りカメラの選び方のポイントを見ていきましょう。
画質
見守りカメラの画質は親や子ども、ペットの様子を鮮明に確認できるよう、最低でも30万画素は確保しましょう。画素数が多いほど、細部までクリアに映像を映すことができます。子どもやペットの表情まで映したいのであれば100万画素以上のものを、部屋の隅々まで映像で確認したい場合は200万画素以上のものがおすすめです。留守中に空き巣などの被害が発生した際、画素数が高いカメラを設置していると、犯人の顔や特徴を鮮明に確認でき、特定しやすくなります。
暗視機能や夜間モード

夜間も見守りに使用したい場合は、暗視機能や夜間モードを搭載している見守りカメラをおすすめします。
暗視機能(暗視カメラ)は豆電球などの薄明かりがある室内での使用に適していて、カラーでの撮影が可能です。鮮明な映像を残すことができるため、子どもや高齢者、ペットの夜間の見守りに役立ちます。子ども部屋や介護が必要な高齢者の部屋などに設置し、豆電球ほどの明かりをつけてカメラを稼働させれば映像の撮影ができます。ただし、暗視機能(暗視カメラ)は豆電球程度の光源が必要となるため、真っ暗な場所での撮影には適していません。
明かりを確保できない場所での見守りであれば赤外線カメラの夜間モードを活用しましょう。赤外線LEDによって光源のない暗い部屋でも撮影ができ、寝ている様子も見守りが可能です。なかには、赤外線LEDが発光しない不可視赤外線を採用した見守りカメラもあります。睡眠の邪魔をしにくいため、気になる場合はチェックしてみるのも良いでしょう。ただし、赤外線カメラの夜間モードで撮影されたデータは白黒映像となります。
首振り機能

首振り機能があると、複数台設置しなければ部屋全体が見渡せない場合であっても、1台で部屋全体を確認しやすくなります。設置する際は、水平方向と垂直方向にどの程度動かせるのかチェックしておきましょう。スマートフォンなどから遠隔操作が可能なタイプを選ぶと便利です。
通話・会話機能
通話・会話機能があるカメラなら、映像を確認するだけでなく、設置場所にいる親御さんや子どもとリアルタイムで通話・会話できるようになります。スムーズにやり取りできるよう、音質や聞き取りやすさも確認しておくと安心です。
動体検知機能
動体検知とは、動きがあるものを検知して撮影する機能です。
24時間常時録画を行う見守りカメラの場合、必要ない映像まで記録されてしまい、比較的短期間のうちに記憶媒体の容量を使い切ってしまう可能性があります。動体検知機能が搭載されている見守りカメラであれば、人や動物が動いたときの映像データのみが残されるため、保存する映像データの量を抑制することができます。
セキュリティ
見守りカメラはインターネットを介して映像を確認する仕組みのため、不正アクセスのリスクもゼロではありません。暗号化通信やパスワードの保護など、セキュリティ性の高い製品を選ぶようにしましょう。
ALSOKの見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」

離れて暮らす高齢の親御さんの急な体調不良やケガなどが心配な場合は、見守りカメラに加えて警備会社の見守りサービスを活用するのがおすすめです。
ALSOKの見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」は、体調が悪いときに緊急ボタンを押すことでいつでもALSOKが駆けつけます。あらかじめ持病やかかりつけ医を登録すると、ALSOKが救急隊員に伝達するため安心です。また、体調や健康について気になるときは相談ボタンを押すことで看護士資格を持つスタッフに24時間相談できます。室内での熱中症リスクを察知した際はご利用者様に音声で警告し、災害時には緊急速報メールを自動で読み上げます。オプションでご家族にもみまもり情報をメール通知でき、見守る側、見守られる側、双方が使いやすい設計となっています。
その他、専用のタグと感知器を用いて、生活リズムや温湿度で異常を見守り、在宅時の安否確認ができる「みまもりパック」もご用意しています。
ご両親の安否確認や見守りサービスのご利用を検討されている場合は、お気軽にALSOKにご相談ください。