空き巣が残すマーキングの種類は?記号の意味や見つけたときの対処法

出典:[警察庁]令和5年の刑法犯に関する統計資料「図表:1-2-4-2(侵入窃盗の認知・検挙状況)」
自宅に侵入され金品などを盗まれる「侵入窃盗」は、令和5年に全国で44,228件と報告されており、そのうち26.8%を空き巣が占めています。1日あたり空き巣は約32件、侵入窃盗は約121件のペースで発生しており、誰もが被害に遭う可能性がある身近な犯罪です。
空き巣の被害に遭う前に、表札や郵便受けなどに予兆となる目印が確認されることがあります。これは「マーキング」と呼ばれるもので、見つかった場合は自宅が空き巣に狙われている可能性があります。
本コラムでは、空き巣などが用いるマーキングについて解説するとともに、被害から自宅を守るための方法をご紹介します。
目次
空き巣が用いるマーキングとは?マーキングの意味と種類を紹介

※こちらのイラストはあくまでも一例となります。
訪問販売員や空き巣などが、住民に関する情報を仲間と共有するために表札や郵便受け、玄関ドア、電気メーターなどに目印を残すことがあります。これが「マーキング」と呼ばれる行為です。マーキングの内容から、住人の「家族構成」や「留守の時間」などを読み取られて、空き巣のターゲット選定に悪用される場合があります。マーキングの具体例には、次のようなものがあります。
目印 | 意味 |
---|---|
M | 男性 |
W | 女性 |
S | 一人暮らし |
F | ファミリー |
学 | 学生 |
赤 | 赤ちゃんがいる |
ル | 留守 |
R | |
SS | 土日休み |
目印 | 意味 |
---|---|
〇 | 侵入しやすい、購買・契約してくれる |
白シール | |
× | 侵入できない、購買・契約してくれない |
黒シール | |
△ | 侵入できるかもしれない、購買・契約してくれるかもしれない |
w8-20(ル) | 平日の8時から20時まで留守 |
20SW_9・21 | 20代一人暮らし女性、9時外出、21時帰宅 |
なお、マーキングは仲間うちでの情報共有のために行われているため、基本的に第三者が見ても意味が分かりにくいように書かれていることに留意しておきましょう。以下で、よく見られるマーキングの手法をご紹介します。
英数字でマーキングする
マーキングにもっともよく使われるのが「英数字」です。男性が住んでいる場合は「M」、女性が住んでいる場合は「W」、一人暮らしは「S」のように、住人の性別や家族構成を示す記号として使われます。「WS=女性の一人暮らし」など、複数の記号を組み合わせる場合もあります。
また、数字部分は住人が留守にしている時間を表すことが多いです。
シールでマーキングする
文具店で販売されているような、色付きのシールがマーキングに用いられるケースもあります。例えば金色であれば「裕福」、赤色であれば「普通」といったように、対象となる家の経済状況を分類する目的で貼られることもあります。
記号でマーキングする
「○」「×」「△」などの記号でマーキングされるケースもあります。「○」は「侵入しやすい、契約してくれそう」、「×」は「侵入できない、契約は難しい」など、目的達成の難易度を表すとされます。
置き石でマーキングする
シールや記号だけでなく、玄関や家の周りに石を置いてマーキングするケースもあります。置き石の有無で、住人の出入りを把握しているようです。住人がマーキングに気づくかをチェックするために置き石をすることもあります。門扉などに不自然に石が置いてあった場合は注意が必要です。
空き巣が犯行前にマーキングを用いる理由
空き巣は、犯行前に入念な下見を行うのが一般的です。下見によって知った情報を、住宅の表札や郵便受け、玄関ドア、電気メーターなどにマーキングという形で記録し、侵入時の参考にします。
また、空き巣は単独犯だけではありません。複数人による窃盗グループが犯行に関与しているケースも多く見られます。そのような場合、グループ内でターゲットに関する情報を共有する手段として、マーキングが活用されることもあるのです。
一部の訪問販売員がマーキングをするケースもある
マーキングは空き巣だけでなく、訪問販売員が行うケースもあります。例えば、訪問時の対応や家の様子などを玄関やポスト付近にこっそり記録するのです。
こうした情報が空き巣に伝わる可能性もあるため、安易に見逃さないように注意しましょう。
空き巣にマーキングされやすい場所
空き巣は、住人が普段から目にしない場所にマーキングを残します。ここでは、特にマーキングがされやすい場所をご紹介します。
玄関
再訪時にすぐに状況を確認できるよう、玄関ドアの上部や枠の部分にマーキングを残すケースがあります。普段から玄関周りをこまめに確認し、不審なサインがないか注意しましょう。
表札
表札は住人が頻繁に目にしないうえ、他人には情報が伝わりやすい場所であるため、マーキングが残されることがあります。特に表札の側面や下部といった目立ちにくい箇所に印が残されやすいため、定期的なチェックをおすすめします。
郵便ポスト
郵便ポストは、配達しやすいように道路に面した位置に設置されていることが多く、敷地に入らなくてもマーキングが可能です。さらに、配達員を装えば怪しまれないこともあり、マーキングに利用されることがあります。不自然なマークや汚れ、シール状のものを見かけたら、マーキングの可能性を疑いましょう。
インターホン
空き巣は、インターホンでターゲットの在宅状況を確認し、そのまま留守時間などをマーキングすることがあります。インターホンの側面や底面など、見えづらい場所にマーキングがないか定期的に確認しましょう。
窓・ベランダ
空き巣の侵入経路として窓やベランダは非常に多く利用されるため、ここもマーキングされるリスクが高い場所です。特に窓のサッシやベランダの外壁・柵・床面、トイレや浴室などの小窓周辺は狙われやすい傾向にあります。一見侵入が難しそうな小さな窓でも油断は禁物です。
メーターボックス
電気やガス、水道などのメーターボックスは、作業員を装いながら近づきやすい場所のため、マーキングをつけられる可能性があります。側面や底面、配管といった場所が狙われやすいため、メーターボックスもチェックが必要です。
マーキングを見つけてしまったときの対処法
マーキングを見つけた場合は、放置せずにすぐに対処するようにしましょう。
撮影をして証拠を残す
最初に行うべきは証拠の記録です。マーキングを消す前に、証拠として写真を撮っておきましょう。怪しいマーキングを見つけたら、警察や管理会社へ相談することをおすすめします。写真は、警察に届け出る際や管理会社へのスムーズな情報共有に役立ちます。
マーキングを消す
撮影が済んだら、マーキングはすぐに消しましょう。マーキングを速やかに消すことで、空き巣に対して「気づいている」ことをアピールでき、狙われるリスクを下げられます。
マーキングは、油性ペンで書かれていたなら除光液を、シールならシール剥がしを使って消してください。
空き巣被害から自宅を守るための防犯対策
空き巣によるマーキングやその後の侵入被害から自宅を守るには、普段から防犯対策を取り入れることが大切です。ここでは、自宅を守るためにすぐに実践できる防犯対策をご紹介します。
施錠を徹底する
空き巣の多くは、無施錠の窓や玄関ドアを狙って侵入します。ターゲットにしている家の近くで見張っていて、ゴミ出しや近所のコンビニへ買い物に行く際などの隙に侵入するケースもあります。留守の時間の長さに関係なく狙われるリスクがあるため、ほんの数分の外出であっても窓や玄関ドアは施錠することが大切です。内扉がある場合は、必ず内扉も戸締りをしましょう。
留守を悟られないようにする
空き巣は、侵入前にその家が留守かどうかを慎重に観察しています。そのため、空き巣に狙われないようにするには、留守を悟られないことが大切です。
例えば、郵便受けにチラシや郵便物が溜まっていると、長期間不在であることがひと目で分かってしまいます。日ごろから郵便物は溜めないように注意し、外出や旅行などで長期間家を空ける場合は、家族や知人に回収をお願いする、郵便局に不在届を出すなどの方法で対策しましょう。
もう一つ注意したいのが、SNSでの情報発信です。旅行中や外出中であることが分かるような投稿は、空き巣にとっては「今がチャンス」と思わせるサインになってしまいます。リアルタイムでの投稿は避け、後日写真や感想をアップするよう心がけましょう。
近隣住民と積極的にコミュニケーションを取る
防犯対策は、家単位ではなく地域ぐるみで取り組むことが効果的です。普段から近所の人とあいさつを交わし、顔見知りの関係を築いておくことで、不審者が近所をうろついている場合に気づきやすくなります。
また、万が一マーキングなどの不審なサインを発見した場合も、近隣住民と情報を共有することで早期に対応でき、被害の拡大防止につながります。
防犯グッズを活用する
防犯グッズを活用し、空き巣が入りにくい家にするのも有効です。短時間で犯行を終えたい空き巣は、侵入に時間がかかると分かると、犯行をあきらめる傾向にあります。
例えば、玄関ドアや窓に補助錠を取り付ければ、解錠に時間がかかり、それだけで犯行を思いとどまらせる可能性があります。また、窓ガラスを防犯ガラスに替えたり、防犯フィルムを貼ったりすることで、短時間で窓ガラスを割って侵入するのが難しくなります。その他には、窓用の防犯ブザーや人感センサー付きのライトの設置も効果的です。音や光によって侵入者の存在を周囲に知らせます。
こうした対策は、マーキングをされにくくする環境づくりにも役立ちます。「この家は警戒している」と思わせることが、空き巣から自宅を守る第一歩になります。
自宅の防犯強化にはホームセキュリティサービスの導入も有効
自宅の防犯強化には、普段の対策に加えてプロの視点を取り入れたシステムの活用もおすすめです。その有効性を裏付ける調査として、公益社団法人 日本都市計画学会が2009年8月に発表した報告があります。
この調査では、拘置所・拘置支所に収容されている窃盗犯(154名)を対象に「犯行を思いとどまった理由」についてアンケートを実施。その結果、防犯カメラや警備会社のセキュリティサービスが導入されている住まいは、犯行をためらわせることが明らかになりました。

出典:[日本都市計画学会]犯罪者の視点から見た防犯環境設計の有効性の検討 -全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告-
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