住宅リフォームを検討する際の注意点は?統計データをもとに解説

住み替え 2025.10.31
住宅リフォームのイメージ

住宅リフォームは、より安心で快適な暮らしを実現させる手段の一つです。費用も手間もかかる大きな取り組みであるため、事前の準備不足や判断ミスが、完成後の後悔につながるケースも少なくありません。
本記事では、実際に住宅リフォームを実施した世帯の統計データをもとに、リフォームの実情や傾向を客観的に分析しながら、リフォームを成功させるための注意点を詳しく解説します。

目次

住宅リフォームの流れ

  1. リフォーム内容と予算を決める
  2. リフォーム会社の選定
  3. 工事の打ち合わせ・見積もり確認
  4. 契約
  5. 着工
  6. 工事完了・引き渡し

まずは、リフォーム内容と予算を設定します。家族構成やライフスタイルの変化を踏まえ、現在の住まいの不満や改善箇所を整理し、優先順位を明確にすることが重要です。
次に、複数のリフォーム会社を比較検討したうえで信頼できる業者を選定しましょう。アフターサービスや保証内容についても確認しておくと、より安心してリフォームを進められます。
業者が決定したら、具体的な工事内容や工期、費用について詳細に打ち合わせ、見積書の内容を十分に確認します。内容に納得できたら契約を締結し、着工前には近隣への挨拶を済ませることが必要です。
なお、リフォームの規模や状況によっては、一時的に引っ越しが必要なケースもあります。
工事が始まったら定期的に進捗を確認し、完了後は仕上がりを細部まで検査して、問題がなければ引き渡しを受けます。
リフォームの期間は、契約から着工まで1カ月前後かかるのが一般的です。工事期間はリフォームの規模によって異なります。

リフォーム実施世帯の住宅取得

ここでは、国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」の統計データをもとに、住宅リフォームを実施した世帯における住宅の取得方法や取得時期について見ていきましょう。

住宅の取得方法

リフォーム実施世帯の住宅の取得方法でもっとも多いのは、「分譲住宅購入」が33.4%、次いで「注文住宅建築」が25.5%でした。新築で取得した住宅が全体の半数以上を占めている背景には、自分が購入した住宅に長く住み続けたいというニーズがあると考えられます。
また、「中古住宅購入」も一定の割合を占めており、購入時に設備や内装を好みに合わせて改修する需要があることが分かります。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

住宅の取得時期

リフォーム実施世帯のうち、新築住宅の取得時期を見ると、「平成7年~平成16年」が36.5%ともっとも多く、平均居住年数は26.0年でした。過去5年間の推移を見ても、リフォーム実施世帯のうち、「平成7年~平成16年」に取得した住宅の割合は上昇傾向にあります。居住年数が20~30年になり、家族構成の変化に応じた間取りの変更や、劣化が進んだ箇所の修繕などを検討する人が多いと想定されます。
また、中古住宅の取得時期は、「平成27年以降」が27.1%、次いで「平成7年~平成16年」が26.2%で、平均居住年数は18.5年です。中古住宅のリフォームは取得直後だけでなく、居住後年月が経ってから実施する人も多いことが分かります。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームの実施時期・期間

リフォームの実施時期・期間は、計画的な工事を実施するうえで重要な要素です。統計データから見える傾向について把握しておきましょう。

建築時期

新築住宅の建築時期を見ると、「平成7年~平成16年」が37.1%ともっとも多く、取得時期のデータとほぼ同じ結果となっています。一方で、中古住宅の建築時期は「昭和60年~平成6年」が29.9%ともっとも多く、平均築後年数は33.4年で、取得時期のデータと差があります。中古住宅は建築後の年数が経っているため、住宅取得後は新築住宅よりも早くリフォームの検討が必要になることが読み取れます。
築30年ほど経過している住宅は、建物・設備の劣化や耐震性への不安がでてくることから、リフォームのニーズが高まっていると考えられます。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

前回のリフォーム時期

前回リフォームを実施した時期は、「今回が初めて」という回答が40.7%を占めていました。リフォーム経験がある世帯では、「5年以内」が18.4%、次いで「5年超10年以内」が18.2%となっています。
多くの世帯が初回のリフォーム実施である一方、定期的なメンテナンスや設備更新として5年から10年程の間隔でリフォームを行う世帯もあるようです。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームの工事期間

リフォームの工事期間を見ると、「1週間以内」という回答がもっとも多く、全体の63.6%を占めています。5年前と比較すると「1週間以内」が53.3%から63.6%へと増加しているのに対し、「1カ月以内」「2カ月以内」は減少傾向にあります。
工事期間が短縮化している背景には、施工技術の向上や工法の効率化などが考えられます。さらに、居住しながら可能な範囲でのリフォームのニーズが高まっており、生活への影響を最小限に抑える工期設定が重視されていると推測されます。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームの実施内容

リフォームの実施内容は多岐にわたるため、実際にリフォームを実施した世帯の傾向を把握しておきましょう。

リフォームの種類

リフォームの種類では、「増築」「改築」「模様替えなど」が項目にあるなかで、「模様替えなど」が86.6%と圧倒的多数を占めています。多くの世帯が大規模な住宅改修よりも、内装中心のリフォームを実施していることが分かります。
リフォームの工事期間で「1週間以内」の回答が多かったことからも、短期間かつ低コストで実現できるリフォームのニーズが高まっている傾向が読み取れます。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームの動機

リフォームの動機

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームを実施した動機を見ると、「住宅がいたんだり汚れたりしていた」という回答が32.1%でもっとも多く、次いで「家を長持ちさせるため」が21.7%、「台所・浴室・給湯器などの設備が不十分だった」が19.4%となっています。
建物や設備の経年劣化に関連する動機が挙がっており、メンテナンス・修繕を目的としたリフォームが大半を占めることが分かります。

リフォームした部位

リフォームの部位

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームを実施した部位については、「居間」が24.9%でもっとも多く、次いで「浴室」が22.7%、「外壁」が19.9%です。居間(リビング)や水回り設備は、使用頻度が高く劣化しやすいため、優先的にリフォームされる傾向にあります。また、外壁は常に紫外線や雨風にさらされるため、建物の寿命を延ばすためのリフォームも重視されていることが分かります。

リフォーム内容

リフォームの内容

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォーム内容で多かったのは「冷暖房設備等の変更」が34.2%、次いで「住宅内の設備の改善・変更」が32.9%という結果でした。近年、住まいの快適性や省エネ性を高めるリフォームが注目されています。特に冷暖房設備や住宅内の設備は、快適さや電気代などに直接影響するため、リフォームにおいて優先されやすい傾向にあります。
また、住宅設備の耐用年数は15年程度とされているため、設備の更新を検討する家庭が多いと考えられます。

住宅内設備のリフォーム

住宅内設備の改善・変更の内容

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

住宅内設備の改善・変更の内容としては、「台所・便所・浴室等の設備を改善した」という回答が78.7%と圧倒的に多い結果でした。水回り設備は生活に不可欠であり、特に清潔感や快適性が重視される空間のため、優先的に新しい設備への改善・変更を希望するニーズが高いことが読み取れます。

住宅構造のリフォーム

住宅構造の改善・変更の内容

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

住宅構造の改善・変更の内容としては、「断熱工事、結露防止工事等を行った」という回答がもっとも多く、全体の半数を占めています。省エネや光熱費削減への意識の高まりから、冷暖房効率向上につながる断熱改修が注目を集めていることが読み取れます。また、結露防止のリフォームは住環境の快適性や建物の長寿化へとつながるため、高いニーズがあると考えられます。

冷暖房設備等のリフォーム

冷暖房設備等の変更の内容

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

冷暖房設備等の変更の内容としては、「冷暖房設備を改善・設置した」が84.9%と圧倒的多数を占めています。リフォームを実施した多くの住宅が築10年以上経過しており、古くなった設備の交換や、間取りの変化に対応した設置が進んでいると考えられます。
また、電気代の削減につながることから、一定の需要があることも読み取れます。

住宅リフォームに関するその他検討事項

住宅リフォームに関するその他の検討事項については、以下の通りです。

リフォーム資金

住宅リフォーム資金の平均は154万円で、このうち自己資金は132万円、自己資金比率は85.5%です。住宅購入と比較すると少額の資金で済むため、自己資金を準備してリフォームを行う人が多いことが分かります。
なお、5年前と比較すると自己資金比率は8.3ポイント上昇しており、金利負担を抑えて自己資金の範囲内でリフォームを実施する傾向が強まっていることを示唆しています。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

施工者選び

  • 現在の住宅を施工した工務店やメーカー 16.2%
  • 別の工務店や住宅メーカー 25.7%
  • 水道や電気などの専門工事業者 24.5%
  • 浴槽等の販売店やメーカー 9.8%
  • その他 20.5%

リフォームの施工者については、「別の工務店や住宅メーカー」が25.7%でもっとも多く、次いで「水道や電気などの専門工事業者」が24.5%という結果でした。5年前と比較すると、「別の工務店や住宅メーカー」は10.0ポイント以上減少傾向で、「現在の住宅を施工した工務店やメーカー」「水道や電気などの専門工事業者」は上昇傾向にあります。
これは、施工者の選定方法として「以前から付き合いのある業者」や「知人からの紹介」が挙げられていることから、過去の実績に基づく信頼関係や、アフターフォローまで一貫して対応してくれるサービスを重視している様子がうかがえます。

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームで困った経験

リフォーム時に困った経験

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

リフォームで困った経験では、「特にない」という回答が65.1%となっており、多くのリフォームは円滑に進行していることが分かります。
一方で、見積もりや業者探しなどの点で困ったという世帯も一定数存在し、事前の詳細な打ち合わせや情報収集が重要であることを示唆しています。

住宅をリフォームする際の注意点

上記のデータから分かるように、住宅リフォームを成功させるためには、事前の確認や打ち合わせが重要となります。ここからは、住宅をリフォームする際の注意点をご紹介します。

ショールームで設備の確認をする

ショールーム見学

キッチンやバスルーム、トイレなどの設備は、カタログやWebサイトの写真だけでは実際のサイズ感や使い勝手が把握しづらいため、ショールームを訪問して実物を確認すると良いでしょう。
特にサイズ感は重要なため、事前に自宅の設置予定場所を採寸しておくと安心です。毎日使用する設備だからこそ、適切な製品選びが満足度の高いリフォームにつながります。

複数の業者から見積もりを取る

リフォーム工事では、同じ内容でも業者によって費用が大きく異なるため、適正価格を把握するためにも複数の業者から見積もりを取ることが重要です。見積もり比較の際は金額だけでなく、使用材料の品質、工期、アフターサービスの内容、施工実績などを総合的に比較しましょう。見積書の内訳を詳細に確認し、不明点は必ず質問して納得してから契約を進めることが、信頼できる業者選びとトラブル回避の鍵となります。

リフォーム補助金制度を活用できるか確認する

省エネ改修や断熱リフォームを行う場合は、国の補助金制度を活用することで、リフォーム費用の一部が助成され、経済的負担を軽減できます。
既存住宅のリフォームで活用できる国の補助金の例として、以下があります。

名称 補助金の対象
子育てグリーン住宅支援事業 グリーン住宅支援事業者と契約し、断熱改修やエコ住宅設備の設置を行う
長期優良住宅化リフォーム推進事業 住宅の性能基準に適合させるための工事、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性、レジリエンス性向上改修工事
給湯省エネ事業 高効率給湯器の設置

出典:国土交通省 住宅リフォームの支援制度

制度ごとに対象期間が定められており、条件なども異なるため、事前に確認が必要です。
※本年度の募集は終了している場合があるため、詳細は各事業の公式ページをご確認ください。

また、地方自治体ごとに耐震診断・耐震改修、省エネ化、バリアフリー化などが補助対象となる制度があります。リフォームを検討している場合は、補助金制度の活用が可能かを事前に確認することで、補助金の活用を前提としたリフォーム内容を検討できます。

着工前に近隣住民へ周知する

リフォーム工事は騒音、振動、工事車両の出入りなど、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。着工前に、工事期間や作業時間、工事内容を記載した挨拶状を配布し、直接挨拶に伺うことが望ましいです。丁寧な事前説明により、工事期間中のトラブル防止につながります。工事完了後にも改めて挨拶に伺い、今後の関係をより良好に保ちましょう。

住宅リフォームの際は防犯対策も合わせて行おう

住宅リフォームは、住まいの快適性を向上させると同時に、防犯対策を強化する絶好の機会でもあります。警察庁の統計によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数において、一戸建て住宅と共同住宅を合わせた割合は全体の約4割を占めています。
住宅を対象とした侵入窃盗が多数発生している現状を踏まえると、リフォーム時に防犯性能を高めることは、家族の安全を守るうえで重要な取り組みといえます。

出典:警察庁 住まいる防犯110番

玄関・勝手口の防犯対策

玄関ドアは住宅への侵入窃盗における主要な出入口であり、人目に付きにくい勝手口も侵入経路として狙われやすい場所です。リフォーム時には、ディンプルキーなど防犯性の高い錠前への交換、既存の鍵に補助錠を追加する「ワンドアツーロック」を検討しましょう。また、防犯カメラやセンサーライトを設置することで、犯罪抑止力をさらに高める効果が期待できます。

窓の防犯対策

窓からの侵入の手口としては、「ガラス破り」が高い割合を占めています。特に1階の窓や足場となる物が近くにある2階の窓には、重点的な対策が必要です。リフォーム時には、防犯ガラスや割れにくい合わせガラスへの交換を検討できます。
防犯ガラスの採用が困難な場合には、防犯フィルムを貼り付けることにより、侵入に時間をかけさせることができます。
また、補助錠の追加や、面格子・シャッターの設置も有効な対策です。

庭の防犯対策

庭には防犯上、死角をつくらないために植栽や物置の位置にも配慮が必要です。塀やフェンスは適度な高さにし、定期的に庭木の手入れを行いましょう。外部から見通しが良い状態を保つことで、侵入者に狙われにくい環境をつくることができます。また、防犯カメラやセンサーライトを庭や玄関先に設置することで、夜間の侵入も抑止する効果が期待できます。

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まとめ

住宅リフォームは、建物の資産価値の維持と、快適な住環境を実現させるために重要な役割を果たします。さらに家族が安心して暮らせる住まいを目指し、リフォーム計画の段階から防犯を含めた総合的な検討を行うことが望まれます。大きな投資となるリフォームだからこそ、慎重な準備と計画が欠かせません。ぜひ本記事の統計や注意点を参考に、住まいに最適なリフォーム計画を立ててください。

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